- メタバースってなに?
- メタバースでは何ができるの?
- メタバースでNFTは使えるの?
こんな疑問に答えていきます。
Facebookが社名をMetaに変えたことで何かと話題の「メタバース」。
よく目にするようになったけど、いまいち何ができるかわかりませんよね?
これを読めばメタバースの大枠の理解と、メタバースで出来ることがざっくりわかると思います。
ざっくりまとめ
- メタバースはインターネット上の仮想空間
- ブロックチェーンやNFTと組み合わせることでメタバースで経済が生まれた
- 一時盛り上がりを見せたが、技術的にはまだまだこれからの成長産業
メタバースとは
「メタバース(Metaverse)」とは「メタ(meta=超越した・高次の)」と「ユニバース(universe=宇宙)」を掛け合わせた造語です。これといった定義はありませんが、インターネット上の仮想空間を指して使われることが多いです。
「メタバース」という言葉は、アメリカの作家、ニール・スティンヴンスンの1992年に書かれた小説「スノウ・クラッシュ」で初めて登場しました。現在では、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を使って、メタバースを体験することができます。
概念としては30年も前からあったんだねぇ
メタバースの具体例
メタバースの身近な例で言うと、「あつまれ動物の森」や「フォートナイト」などのゲームがあげられます。インターネット上で「アバター」という自分の分身を通して、他のユーザーと交流したり、敵を倒してゲームを進めたりします。
「フォートナイト」では米津玄師などがライブをするなど、メタバース内でのイベントが行われたりもしました。ビジネスでは、Meta(Facebook)が「Horizon Workrooms」というオンライン会議ができる新サービスを立ち上げ、新たなシェアを取ろうとしています。
コロナ禍で家にいる時間が増え、インターネット上でのやりとりが当たり前になりました。 リアルで人に会えない分、メタバースでのコミュニケーションの必要性は一気に高まり需要が増え、加速しました。
メタバースとNFT
メタバースと関係性が深く、2021年のバズワードとして突如現れたものに「NFT」があります。 NFTとはブロックチェーン技術を使い、デジタルデータに資産性を持たせたものです。
今まではいくらでもコピー可能だったデジタルデータが一点ものになり「自分だけのもの」という証明が与えられます。ゲーム内で使っていたアイテムやファッションに「価値」が生まれ、取引ができるようになりました。
そうなると現実世界と同じように、メタバースの中でも経済が生まれるようになります。
2021年にはメタバース内の土地やゲームアイテムなどを含めた、NFTの取引総額は4.7兆円にも登りました。
メタバースで生計をたてる日が来るのも遠くない!
メタバースの定義
ここでちょっと難しいですが、メタバースの定義をみていきましょう。初心者の方は飛ばしてもらっても大丈夫です。より理解を深めたい方は見てみてください。
定義はまだ曖昧ですが、アメリカの投資家Matthew Ball氏が提唱している考えが分かりやすいです。
記事では7つの項目がありますが、分かりやすく5つにまとめていきます。
引用記事:The Metaverse: What It Is, Where to Find it, and Who Will Build It
- 永続的である
現実世界と同じように、時が流れていて終わることがありません。
今までのゲームのように「リセット、一時停止、終了」がなく、常にメタバース空間は存在し続ける。 - 同時的でライブ性がある
現実世界と同じように、リアルタイムで同じ空間にいるライブ性がある。
多人数が同時につながることで、通常と変わらないコミュニケーションができる。 - 同時参加人数の制限がない
世界中の誰もが同時接続できるということは、ブロックチェーンによる分散的なサーバーが必要です。
負荷を軽くするための同時接続では意味がありません。
現状の「フォートナイト」は真の意味ではメタバースとは言えないことになります。 - 経済圏がある
個人や企業が「価値」のある「仕事」を生み出し、所有、投資、販売が行われる経済圏がある。
現実世界と同じような経済活動が行われ、メタバースで生活ができるということ。 - それぞれの世界にまたがる体験
現実とデジタル、プライベートとパブリックネットワーク、オープンとクローズドプラットフォーム。
どれも垣根がなく体験できるということ。
同じアバターでいろんな世界を行き来できるような相互運用性があります。
経済圏があったり、世界に垣根がなくなったらそれこそ現実と同じような生活を楽しめるようになる日が来るかもしれません。
全てを実現するメタバースはなかなか難しいのが現状です。 しかし、技術はすごいスピードで進歩しているので近い未来の実現に期待しましょう。
全部が実現できれば、そこには本当に理想の世界があるね
メタバースのジャンル
メタバースのジャンルは、同じような世界観を持つゲームがかなり強いです。
ゲームの中のアバターにおしゃれをさせるという意味でも、ファッション業界からも参入が続いています。
ディズニーもメタバースへ参入することが明らかになっているので、今後はエンターテイメントや映画業界も盛り上がっていきそうです。
ゲーム
THE SANDBOX(ザ・サンドボックス)
The Sandboxはイーサリアムチェーン上のブロックチェーンゲームです。
特にクエストが存在するわけではなく、自分で目的を決めて遊びます。
ポリゴンキャラクターの世界観などは、Minecraft(マインクラフト)にかなり近いです。
2022年の後半にゲームがリリース予定で、まだ遊べないにも関わらず、 その土地やアイテムのNFTにはかなりの価値がついています。
Decentraland(ディセントラランド)
Decentralandもイーサリアムチェーン上のブロックチェーンゲームです。
こちらはすでにリリースされていて、ゲーム内には無料で入れます。
ゲーム内の仮想通貨「MANA」を使うことで、イベントやゲームに参加することもできます。
クエストをクリアすることで報酬がもらえる「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」というゲームでもあります。
元素騎士オンライン~META WORLD~
日本の大人気オンラインゲーム「Elemental Knights Online」をベースに開発されたゲームです。
2022年リリース予定で、「Play to Earn」だけで生計を建てられるようにすることを目標にしています。
UGC(User Generated Contents)というユーザーがゲーム内のコンテンツを作成して稼ぐことができるのも特徴です。
本格的に遊びながら稼げそうです。
ファッション
NIKE
2021年12月、バーチャルスニーカーの会社RTFKT(アーティファクト)を買収しました。
RTFKTはスニーカーのNFTコレクションが310万ドル(約3.3億円)で落札されたりデジタルファッション注目の企業です。
さらにゲームプラットフォーム会社のRoblox社と提携して「ナイキランド」というメタバース空間の制作を発表。
ナイキランドではメタバース空間で、スポーツをしたりゲームをしたりできます。
お洒落するためのNFTスニーカーなども売買されています。
adidas
adidasはブランド初のNFTコレクション“Into The Metaverse”をリリースしました。
猿の顔でお馴染みのNFTのパイオニア「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」などと共同開発を行っています。
また上記のゲーム「THE SANDBOX」の土地も購入しており、オリジナルのコンテンツも展開される予定です。
NFTを持っていれば、SANDBOX内で使えるアイテムや、現実でも同じアイテムがもらえるのが面白いところです。
ビジネス
Meta「Horizon Workrooms(ホライズンワークルームス)」
Meta(Facebook)社のVR技術の会社Oculusが開発した、オンライン会議用メタバースです。
まだオープンベータ版ですが、無料で体験できます。
自分がアバターになってVR空間に入り、最大16人が同時接続できます。
使用しているデスクトップを表示させたり、座っている場所によって聞こえる音が変わったり、より現実に近い空間で仕事ができます。
Microsoft「Mesh for Teams(メッシュフォーチームス)」
現在提供されているオンライン会議アプリ「Microsoft Teams」のメタバース版を開発中。
2022年前半にプレビュー版リリース予定だが、どのVRセットが使用できるかなどはまだわからないところが多い。
現在世界的なコンサルティング会社Accenture社が実験的に導入している。
メタバースのメリット・デメリット
メタバースはまだ発展段階です。
どんな可能性があるのか、メリットとデメリットを見ていきましょう。
メタバースのメリット
ビジネスで活用の幅が広がる
コロナ禍で対面のミーティングが難しくなり、オンラインミーティングの数は確実に増えています。
ミーティングのクオリティを上げていくことは十分考えられます。 またメタバース内での商業活動も今後予想されます。
いろいろなイベントを体験できる
メタバースならではのいろんなコンテンツを体験できます。
さらに技術が進歩すれば、本当にその場にいるようにゲームやフェスを体験できるようになるかもしれません。
オンラインで世界中のいろんな人とコミュニケーションできる
世界中のどんな人でも一瞬でメタバース空間でコミュニケーションができます。
アバターを使って接するので、外見に惑わされずその人と接することができると思います。
同時翻訳や音声変換などの機能が進めば、垣根のないコミュニケーションが実現するかもしれません。
メタバースのデメリット
VR機器がめちゃくちゃ重い
ここはなかなか改善されないところです。
モノにもよりますが、1時間かけていたら首が痛くなります。
VRゴーグルや新たな機器の開発がメタバースの進展の鍵になるはずです。
メタバース空間への依存
ゲームへの依存度が高いのと同じように、メタバースにも一度入ったらやめられない没入感があります。
メタバースがよりリアルな世界を作り出せるようになったら、どちらが現実世界かが分からなくなって抜け出せなくなる人が多くなりそうです。
まとめ
以上、初心者の方向けにメタバースをざっくりまとめてみました。
徐々に盛り上がってきいますが、まだまだこれからの成長市場だと思います。
ゲームだけだけじゃなく、さまざまなジャンルが絡んでくる可能性は高いです。
イマジネーションを働かせて、近い未来どんなメタバース空間が出てくるかを予想してみるのも面白いかもしれません。
メタバースを理解するには実際触ってみるのが一番です。